ベンチプレスと大胸筋

この記事の最終更新日は 2016年10月31日 です。現在は状況が異なる場合がありますので予めご了承ください


私は筋トレ1年目の新米トレーニーですが、新米だからと言ってトレーニングについて考察することが無意味とは思っていません。

 

きちんと1セットずつ、1レップごとに対象の部位に意識を集中して、その動きが理にかなっているかを感じとりながらトレーニングすることは非常に大事だと思いますし、その点に関しては上級者も初心者も変わらないと思います。

 

もちろん上級トレーニーのほうが豊富な知識と経験、神経系の発達などから部位ごとの動きを細かく読み取るチカラが高いと思いますが、初心者トレーニーがそれをおろそかにしてよいとは思わないです。

 

という高い意識()をもってトレーニングに取り組んでいるのですが、トレーニング開始当初から持っていた疑念のようなものが、最近、確信に変わりました。

 

それは「ベンチプレスは大胸筋の形を整えることには向かない種目である」ということです。高重量を扱えて、トレーニー以外にも知られている人気種目ではあるものの、ボディメイクには適さないというのが私の結論です。

 

あれ?大胸筋あまり収縮してなくない?

 

私が最初に疑問に思ったのは、ベンチプレスがあまり胸に効かないことでした。

 

一生懸命にバーベルを上げ下げして、実際に疲労のために最後は上がらなくなる。そのようにトレーニングしていても、なんか胸に効いている感じがしない、ということが最初の何週間か続きました。

 

はじめはフォームが悪いのだと思い、Webページや動画などを見て勉強しました。ベンチプレスをすることには重い重量を挙げたいのはもちろん、厚い胸板も手に入れたいという2つの目的があったからです。

 

大胸筋と三角筋、そして腹筋が織りなすシルエットは本当にカッコイイですよね。トレーニーなら誰もが憧れるものだと思います。私もご多分にもれず、それを目指していました。

 

そして勉強の結果、しっかり肩甲骨を寄せて胸を張り、また肩甲骨を下げてブリッジを作ること、動作中はそれをなるべく固定させることというフォームの基礎を知りました。

 

そうすることでバーベルを下げたときに大胸筋のストレッチを感じ、そして切り返すときに爆発的な収縮を感じることもできるようになりました。しかし、大胸筋の外側には効いているように感じるものの、全体に筋肉痛がくることは稀でした。

 

しかもたまに全体に感じる筋肉痛は、ベンチプレスによってもたらされたのではなく、ダンベルベンチプレスやペクトラルフライによってもたらされた可能性がありました。

 

いよいよ、バーベルベンチプレスは大胸筋に効くのだろうか、全体にしっかりと刺激のいく種目なのだろうかという疑問が強くなってきたのです。

 

ただそれでも、ベンチプレスで高重量を扱うことは男にとって誇れることのひとつですので、疑問を感じながらもより重い重量を挙げたいと思いながらベンチプレスを続けていました。

 

大胸筋の解剖学的な理解

 

私は特に解剖学を学校で学んだわけではないですが、ネットが充実し、またそれに接続するコストが非常に安くなった現代では、ある程度の体系的な知識をカンタンに学ぶことができます。

 

もちろん理解度は人によってちがい、私は特に理解度が高いわけではないですが、ありがたいことにそういう私のような人間にもわかりやすく説明してくれるコンテンツが多様にあります。

 

というわけで、筋肉の起始停止(付け根)、神経支配、働き(動作の方向)などについてひと通り学びました。…いや、神経支配は言い過ぎですね、正直そこまではカンタンには覚えられません。

 

さて、大胸筋の起始は大部分が胸骨(胸の中央にある骨)の上下に長くあり、一部(いわゆる大胸筋上部)が鎖骨にあります。停止はいずれも、上腕骨大結節稜にあります。

 

平易に言いますと、大胸筋は胸の中央から上腕の上の方に向かって伸びています。したがって上腕と胸の中央を近づけるように腕を動かすと収縮し、反対に遠ざけると伸張(ストレッチ)します。

 

これをもとにベンチプレスの動きを考えましょう。

 

ベンチプレスでは、胸を張った状態にすることでバーベルを下げたときに上腕骨の上部と胸の中央が遠ざかるようにします。それによって収縮しながら伸ばされるというエキセントリック収縮がなされます。

 

そこからバーベルを挙げるときには、上腕骨と胸が近づいていく過程でコンセントリック収縮がなされます。

 

しかしどちらの動作をするときも、上腕骨が胸の中央に近づいたあと、また離れていきます。この近づいたあとまた離れる、ということにより、コンセントリック収縮もエキセントリック収縮も弱いものになってしまいます。

 

つまり、バーベルベンチプレスでは胸に効かせられるレンジが非常に小さいのです。これは手幅を狭くしてもほとんど変わらないと考えられます。

 

大胸筋がもっとも収縮するのは、肩関節を水平内転(腕を水平に内側に動かすこと)もしくは内転(手を下げた状態で内側に動かすこと)させたときです。

 

そのように最大収縮させるためには、本来ならバーベルを挙げるときには手幅を狭くしていく必要があります。しかしバーベル上で手を滑らせて中央に寄せていくというのは不可能(非常にキケン)です。

 

強烈に収縮させたいのに出来ない…これはバーベルを使用することによる弊害と言えます。

 

このように、バーベルベンチプレスでは大胸筋外側のやや少ない体積しか稼働率が上がらないため、胸全体に十分な刺激を与えることができないのです。

 

可動域が小さくなり筋肉全体の稼働率が下がるというのは、ベンチプレスに限らずバーベルを使用する種目全体に言えることですが、ベンチプレスにおいてはそれが顕著であるように思います。

 

マシンのほうが稼働率が高い

 

上記のことをふまえると、バーベルベンチプレスは大胸筋全体への刺激が弱く、外側に強く効くため、ボディメイクを考えたときには最適な種目ではないということになります。

 

ではどのような種目が大胸筋をまんべんなく鍛えられるのかということですが、私がオススメするのはマシン種目です。

 

大胸筋を鍛えるためのマシンには、コンセントリック収縮をする局面で腕を内側に寄せていくことのできるものが複数あります。フライ系だけでなく、プレス系にもそのようなものがあります。

 

よって、高重量を扱いたいコンパウンド種目としてはプレス系のマシン、パンプアップさせるためのアイソレーション種目としてはフライ系のマシンを使うという方法が、私の考える最良の手段です。

 

大胸筋の形をキレイに整えたい場合は、マシンを使うのが最適である、というのが結論です。

 

高重量を追うかボディメイクか

 

ボディメイクのためにはマシンを使うほうがよいと結論しました。しかし、胸の種目でもっとも高重量を扱えるのがバーベルベンチプレスなのは間違いありません。

 

しかもベンチプレスの挙上重量というのは、トレーニーにとっても非トレーニーにとっても、ひとつの指標となるものです。

 

「ベンチプレスで130kgを挙げられる」と言えば、トレーニーではない人から中級トレーニーまで多くの人に、羨望の目で見られることは疑いようもない事実です。

 

…というのは言い過ぎかもしれませんが、男の腕っぷしを示すひとつの指標であることは、多くの人に理解されることだと思います。だから、できれば高重量も追いかけたいもの。

 

最終的には、自分の目的が何であるかをハッキリさせることが大事です。

 

私は当面の目標であるトレーニング開始1年目での100kg、そして最終的な目標である120kgまではベンチプレスを続けるつもりです。

 

先天的に速筋繊維の割合が高く、また10代や20代のテストステロン値が高い状態でトレーニングをはじめた方には笑われるかもしれませんが、現在の私の年齢、回復力などを考慮するとその数字が現実的だと考えています。

 

そして高重量を目標にすると同時に、私は形のいいきれいな大胸筋も目指していますので、バーベルベンチプレス以外にダンベルベンチプレス、マシン種目を取り入れてボディメイクにも力を入れていきます。

 

「男が見た目なんか気にするなよ」と言う人もいると思いますが、まあ気になりますよね。私は気になります。

 

筋肉のつき方には遺伝的要素もあり、起始や停止も人によって多少の違いがあるそうです。だから、いくらがんばっても形のいい大胸筋にならない可能性もあります。でも、やれることはやりましょう。

 

今回は大胸筋の内側と外側についての話でしたが、大胸筋上部と下部も別物ととらえて意識してトレーニングをすることが、大胸筋を形よく整えるためには必要です。

 

その点に関しては、また別の記事を書くかもしれません。いや、書かないかもしれませんが、とにかく、大胸筋上部、下部、内側、外側全体に刺激を与えつつ、バーベルベンチプレスの挙上重量を上げていきたいと思います。